激しい頭痛・めまい、手足の麻痺、言語障害は脳卒中を疑う危険サイン

過労、ストレス、寒冷刺激などの後、前触れもなく意識障害を伴う片麻痺が起こった時は、脳の血管が破れて「脳出血」を発症したことが疑われます。脳出血の発作の多くは、活動中におこりさまざまな程度の頭痛を伴います。

頭痛、めまい、手足の痺れ

脳出血の大部分は被殻と視床という部位に起こりますが、近くには運動繊維が密集している内包が存在するため、そこが障害されて出血した部位の反対側の上下肢の麻痺をきたします。さらに、視床出血では、反対側の上下肢の知覚がダメージを受けて、しびれなどの症状が出ることもあります。

小脳出血では、上下肢の麻痺がなくても、めまい、ふらつきが強いと歩行が困難になります。脳幹出血では、急激に昏睡に陥り、四肢の麻痺、呼吸障害などをきたします。

経験したことのない激しい頭痛はくも膜下出血を疑います
何の前触れもなく、突然、経験したことのないほどの激しい頭痛がする場合は、くも膜下出血の可能性を考えます。頭痛の程度は、家庭向けの医学書では「バットで殴られたような」などと表現されていますが、それほど強い痛みがやってきます。

多くの場合、首の後ろの痛み、吐き気や嘔吐を伴います。意識を失うこともありますが、多くは短時間で回復します。ほかの脳卒中と異なり、片麻痺を伴わないのがくも膜下出血の特徴です。いずれにしても、突然激しい頭痛がした場合には、救急車を呼びましょう。

一時的な言語障害や麻痺は一過性脳虚血発作(TIA)の可能性
呂律が回らなくなったり、手足の麻痺がおこったものの、数時間から24時間以内に元の状態に戻る発作を「一過性脳虚血発作(TIA)」といいます。また症状が3週間以内に回復する発作を「可逆性虚血性神経障害」といいます。いずれの発作も脳梗塞の前兆ですので、症状が治まったからと安心しないで脳神経外科を受診し、本格的な脳梗塞が起こらないように治療を行う必要があります。

意識障害を伴わず、突然、片麻痺を起こした時には、穿通枝(太い動脈あら枝分かれして脳の深部に入る細い血管)が詰まっておこる「ラクナ梗塞」が疑われます。梗塞は小さくても、脳の深部で運動をつかさどる神経線維が密集している内包がダメージを受けると片麻痺が起こります。

脳梗塞を疑うとき
脳梗塞は、脳の血管そのものが詰まる「脳血栓」と、心臓でできた血の塊が血流で脳に流れてきて詰まる「脳塞栓」が原因となりますが、いずれにしてもどの血管が詰まるかによって症状は異なってきます。大脳の大部分に血液を送る内頚動脈の血流が障害されると、片麻痺、視覚障害、ろれつが回らない、視野欠損などの症状が現れます。

後頭葉、脳幹、小脳に血液を運ぶ椎骨動脈が詰まると、両側上下肢の麻痺、顔・両側上下肢の知覚障害、両側の視野欠損、物が二重に見える、嚥下困難などの症状をきたします。脳梗塞が多数起こる多発性梗塞記憶力の低下、自発性欠如などがみられます。