脳卒中の治療:脳梗塞はrt-PA静注による血栓溶解療法が注目

脳卒中を発症した場合、SCU(脳卒中集中治療室)を擁する医療機関に救急搬送されてきた患者さんの心電図をとり、点滴などを投薬しながら救命処置を行い、状態を落ち着かせます。次に頭部CT検査で脳の断面撮影を行います。必要に応じてMRA検査で脳の血管の様子も撮影します。所見を総合して診断を下し、必要があれば手術を行うというのが、救急時の脳卒中の治療の簡単な流れです。

血栓溶解療法で症状を回復

脳梗塞の治療
一過性虚血発作(TIA)のような脳梗塞の前触れは、症状自体は24時間以内に治まりますが、将来、脳梗塞を起こすリスクがが高いので、十分な管理が必要です。血管が詰まらないようにアスピリンなどの抗血小板薬を使用したり、血圧をコントロールすることが大切です。

重傷な脳梗塞で脳が腫れ、浮腫がひどい場合には、手術で圧力を逃すこともありますが、一般的には投薬など内科的治療が主になります。外科的治療としては、内頚動脈が頚の部分で教祖策をきたしているときは、頸動脈内膜隔離手術を行い、血流を良くします。

心臓に病変があって、心臓から血栓が脳に流れてくる場合は、心臓の治療を行う必要があります。頚部や脳の血管に狭窄があっても、手術が不可能な部位があるときには、党の血管と頭の皮膚へ行く血管の間でバイパスを作り、脳の血液循環を改善してやることもあります。

近年は、発症から4.5時間以内ならば、血栓を溶かす強力な作用があるrt-PA(アルテプラーゼ)静注による「血栓溶解療法」が、脳梗塞における劇的な症状改善が期待できるとして注目されています。一方、合併症として出血が起こることもあるため、投与に際しては高度な注意が必要とされています。

rt-PA静注による血栓溶解療法は、過去に頭蓋内出血を起こしたことがある人、最近手術を受けたことがある人、消化管出血の持病がある人などはリスクが高いため、原則「投与禁忌」となります。

脳梗塞は再発リスクが高いため、抗血小板薬や抗凝固薬の服用と並行して、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの危険因子の治療も行うことが大切です。

脳出血の治療
脳出血を起こした患者の意識がはっきりしていて、CT検査で血腫が小さいことが確認できた場合は、内科的に治療を行いますが、血腫が大きく重症の場合は外科的治療(手術)が必要になります。

脳出血治療法や予後は、出血の部位、大きさによって異なります。皮質下出血、小脳出血は手術成績が良好で、外科的治療の対象となります。被殻出血では、意識障害が軽度から中等度の場合は、手術をしたほうがよいとされています。CTで血腫が内包の後方部分まで広がっている場合、多くは手術となります。

手術方法としては、頭部に穴をあけて針を刺して血腫を吸引除去する方法と、開頭して脳を切開して血腫を除去する方法があります。治療の目的は、出血で生じた血腫を迅速に除去し、血腫による脳組織への圧迫を和らげると同時に、二次的な合併症を予防することにあります。

血腫によって脳ヘルニアが起こると脳幹が圧迫され、生命中枢が破壊されて死亡することになります。高浸透圧脳圧下降薬(マンニトール、グリセリン)を使用すれば、脳ヘルニアはある程度食い止めることができるようになりました。

くも膜下出血の治療
くも膜下出血を放置するとほとんどは死亡に至りますが、手術に成功すれば、発作前に近い状態にまで治療することも可能です。近年、手術用顕微鏡の使用など手術手技の進歩により、脳動脈瘤に対する手術成績は向上し、外科的治療が確立されました。

くも膜下出血は、一度発症すると最初の発作から3週間以内に出血発作を繰り返し、手術をしなければ6週間以内に約半数が死亡するという恐ろしい病気です。したがって、早期の脳動脈瘤を発見し、手術を行って脳動脈瘤が再破裂するのを防止することが大切です。

手術はクリッピングといって、脳動脈瘤の根元にクリップをかけて再破裂しないようにします。手術時期は患者の状態によって異なりますが、脳動脈瘤が見つかり次第行うのが原則です。意識障害が強く、脳血管痙攣といって、発作のために血管が細くなっている場合は、破裂の可能性を念頭に置きながら、当面は絶対安静とし、血圧管理、合併症対策などを行い、患者の状態が手術可能になるまで見守ります。

しかし、多量の出血が脳内に及んでいる場合は、まず、血腫を徐y居する手術を行う場合もあります。