高血圧・心臓病・喫煙など…脳卒中を起こしやすいのはこんな人

脳卒中の発症に深く関係している危険因子には、以下に挙げる「高血圧」「心臓病」「糖尿病」「喫煙」といった多くの存在が知られています。危険因子は単独でも要注意ですが、複数該当すると脳卒中の発症リスクは大きく増大すると考えられています。

脳ドックで危険因子を早期発見

脳ドックでは未破裂脳動脈瘤や微小な脳梗塞などを発見するだけでなく、血液検査や血圧測定、心電図を行うことでこれらの危険因子の有無も確認できますので、生活習慣の改善のきっかけになるでしょう。

高血圧
脳卒中の危険因子の中で最も重要なのが「高血圧」です。一般に、高血圧の基準を最大血圧が140mmHg以上、最小血圧が90mmHg以上と定めています。上が200以上、下が115以上ならば重傷で、脳卒中のリスクが高い危険な状態といえます。

高齢者になると高血圧は軽症でも、脳卒中を起こす人は多くなります。これは脳の血管の老化による脳動脈硬化によるものです。これも高血圧によって促進されます。したがって、脳卒中の予防には高血圧の管理が非常に大切となります。

軽症の高血圧であれば、まず食生活や運動不足などを改善するようにしましょう。食事で注意したいのは塩分摂取量です。「日本人の食事摂取基準」では、1日の塩分の適正摂取量は男性で8g、女性で7gとしていますが、日本人の平均は11gとなっています。

またジョギングやウォーキング、水泳などの有酸素運動を習慣的に行うと、血圧が低下する傾向が認められています。体を動かすことでストレスの解消になるという点でも効果が期待できます。ただし、激しい運動は逆に血圧を上昇させることになるので、主治医に相談したうえで年齢と体力に見合った運動を毎日行うとよいでしょう。

高血圧が中等程度以上の場合は、食事や運動だけではコントロールが難しいので、降圧薬を処方してもらい、長期間服用する必要があります。血圧を下げ過ぎると、めまい、立ちくらみ、湿疹などが起こったり、日常の活動意識の低下につながるので、自己判断で服用量を増やしたり、医師に相談することなく血圧降下作用のある特定保健用食品(トクホ)などを飲むのは禁物です。

心臓病
心臓病も脳卒中の重要な危険因子の一つで、不整脈を引き起こす心房細動は昔から重視されています。高齢者に多くみられる不整脈の一つ「心房細動」は、加齢とともに頻度が増してきます。心房細動では、血液の乱流のため、心臓の中に血栓(血液の塊)ができ、剥がれた血栓が血流によって脳に運ばれて動脈で詰まって「脳塞栓」を起こしてしまうのです。

心臓に弁膜症、心筋症、心筋梗塞などの病児がある場合にも、心臓内の血栓のために脳塞栓を起こすことがあります。心不全や不整脈を起こすと血栓ができやすくなるので、抗凝固薬の投与である程度の予防は可能ですが、その管理は簡単ではありません。

糖尿病
糖尿病は、動脈硬化を促進しますが、比較的細い動脈に障害をもたらします。眼底出血、硝子体出血などを起こした人は、特に注意が必要です。

喫煙
喫煙者と非喫煙者に分けて脳卒中を発症した人の割合を比較すると、喫煙者のグループのほうが脳卒中の発症率が高く、特に喫煙に高血圧が加わると発症率は2倍以上の差があります。煙草は動脈硬化を促進するだけでなく、数多くの発がん物質が含まれており、あらゆる病気の危険因子とも言えます。

アルコール
ビール一本程度、日本酒1合程度のアルコールは問題ありませんが、それ以上飲むと脳卒中のリスクは高まります。お酒を飲んでいる間は血圧は低下していますが、飲酒後は反動で血圧が上昇し、心房細動も起こりやすくなります。